式 辞

 春の躍動する息吹が強く感じられる今日の佳き日に、同窓会、PTA、母の会の各会長様をはじめとするご来賓の方々、並びに多くの保護者の皆様をお迎えし、平成三十年度の入学式を挙行できますことを、心より感謝し厚く御礼申し上げます。
 さて、二百八十一名の新入生の皆さん、入学おめでとう。今日から皆さんはこの伝統ある前橋高校の生徒です。あの合格発表の日の喜びや、今日の緊張を忘れることなく、一日一日を大切に、充実した高校生活を送ってもらいたいと願っています。
 本校は、昨年度創立百四十周年を迎えた、県下一長い歴史を持つ伝統校です。卒業生は、三万五千名を数え、県内はもとより、国内外の各界、各方面において、トップリ-ダ-として活躍されているOBもたくさんおります。
 現在では、「質実剛健」「気宇雄大」の校訓のもと、学習面においても部活動においても県内はもとより全国に誇れる拠点校としての地位を不動のものにしてまいりました。皆さんには、本校の質の高い教育活動を通して、社会のリ-ダ-となる人材として成長することを期待しています。
 そこで、前高での三年間のスタ-トにあたり、皆さんに是非取り組んで欲しいことを、二点お話しします。
 一点目は、昨年度の入学生にもお話ししたことですが、「三兎を追う」ということです。
 諺に「二兎を追うものは一兎をも得ず」と言いますが、二兎どころではなくて、前高生には三兎を追ってほしいのです。三兎とは、学習と部活動と学校行事の三つです。高校の学習、とりわけ前高での学習は中学校までとは違い、各段に難易度も増し、進度も速くなります。ですから、将来の目標や夢を実現するためにも、日々の予習や復習といった継続的な学習は欠かせません。また、前高の部活動は、運動系・文化系ともにとても活発で、運動面では昨年度、県高校総合体育大会で男子総合優勝を果たしています。そんな部活動に自分の目標を持って取り組むことが、皆さんの豊かな人間性や社会性を育んでくれるに相違ありません。学校行事も蛟龍祭という文化祭や高高との定期戦、優曇華という音楽三部の合同コンサ-トなど、生徒が主体となって行われる行事が多く、そうした体験的な活動の経験を通して、リ-ダ-性や自主性を身に付けたり、自信を付けたり、意欲を高めたりと、高校生活に変化と動機付けを与えてくれます。これらの「三兎」学習・部活動・学校行事の三つに全力で取り組むことで、高校生活を充実させ、大きく成長していってください。
 二点目は、「広く社会や校外での活動にも目を向けて、挑戦する」ということです。高校時代は、学校内の活動だけでなく、校外で主体的に行う多様な活動等に参加することは、社会体験の意味からも、生徒一人一人の意欲を喚起し、成長のきっかけとする意味からも、大きな意義があると考えます。そして、それらの活動を大学入学者選抜において学習の成果として評価していくことも提案されている昨今です。例えば、大学が高校生を対象に、高校の授業ではできない専門的・先端的な活動を指導する「グロ-バルサイエンスキャンパス」に参加したり、県内企業でのインタ-ンシップ、一日医師体験、各種ボランティア活動などに参加するのも、進路選択の参考になったり、将来就きたい仕事を見つける上でもとても有意義です。また、群馬県が行うグロ-バル人材育成の取組「明石塾」に参加したり、海外研修や留学経験なども有益です。さらには、各種機関が実施する大会・コンク-ル・論文などに挑戦してみるのもよいと思います。社会に対して視野を広げ、自らの可能性を試すためにも、先程述べた「三兎」以外の校外活動にも、積極的に挑戦してみてください。
 以上、二点について述べましたが、スポ-ツに例えて言えば、皆さんには、「高校生としてできること、高校時代でなければできないことに、全力でアタックし、最後まで諦めずに、全身全霊で正々堂々とプレ-する」ことを期待したいのです。言わば、「高校生活を戦いの三年間とする」位の気持ちで送って欲しいと思います。
 ここで、保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。皆様のお喜びもさぞかしと拝察いたします。高校の三年間は、人生の方向を決定する大事な時期ですが、悩み苦しみも多く、これまで順調に成長してきたお子様であっても、多少なりとも、親子の葛藤や成績面での挫折などを経験しながら成長し、親への依存から離れながら自立していくものです。私達教職員は、お子様が、自らの生きる道を、自らが切り開いていけるよう、全力を尽くして参りますが、子供達の健全な成長を望み、豊かな個性を育てていくためには、学校と家庭がそれぞれの役割を果たしながらも、相互に補完し合い、連携を密にしていくことが重要と思います。保護者の皆様の本校に対するご理解と絶大なるご協力・ご支援を賜りたいと存じます。
 最後になりましたが、新入生の皆さんが、「前高生」として自信と誇りを持ち、前橋高校での生活に闘志を抱き、一人一人の夢に向かって、自ら磨き鍛え、成長していくことができるよう、皆さんの努力と活躍に期待して、式辞といたします。

   平成30年4月10日
群馬県立前橋高等学校長            
大 栗 勇 一